ENTERTAINMENT

エイベックス株式会社

INTERVIEW

エイベックス株式会社 代表取締役社長COO

黒岩克巳

INTERVIEWER

フィールドマネージメント代表

並木裕太

―プロフェッショナルとして、わき目も振らずキャリアを積み重ねてきながらも、学生時代から音楽に親しみ、音楽の世界で仕事をしてみたいと考えたことのある人は少なくないと思います。ただ、夢の職場だったとしても、まったくの異業種に飛び込むことには様々な不安もつきまとうもの。自分が活躍できるような場はあるのか、いまの生活を維持できるのか……。フィールドマネージメントが新たな取り組みとして進めている経営人材採用スキーム『STAY TRUE Sign UP』は、そうした不安材料を払拭し、若かりしころの夢を叶える機会を提供することを目的としています。今回はエイベックスの黒岩社長との対談を通じて、音楽・エンターテインメント業界で求められる人材の姿を明らかにすると同時に、『STAY TRUE Sign UP』を活用して、プロフェッショナルとしてエイベックスでキャリアを積む機会を提供できたらと思います。


エイベックス株式会社 エントランス

並木 黒岩さんは今年(2018年)6月22日、エイベックスの新社長に就任されたわけですが、会社に対する視線も大きく変わったのではないですか。

黒岩 これまではずっと事業側でやってきましたからね。自分が直接的に関わってこなかった法務やIRといった領域には疎かった。でも社長になってからは、当然ながら「やっぱり大切だよな」と痛感しています。人事戦略についてもしっかり考えていかないといけない。


エイベックス株式会社 代表取締役社長COO 黒岩克巳

並木 いい人材が採用できているな、という実感はありますか。

黒岩 新卒採用を始めて20年くらい経ちますが、若くて優秀な人材が採用できている感覚は持っています。ただ、入社から5年、10年経った時にどうなのかという問題意識もありますね。
いろんな部署をだいたい3年単位で移り変わる、いわゆるジョブローテーションみたいなことをやっていた時期もありますが、それではなかなか戦力として育たないんです。全部が中途半端で、結局のところ何も極められない。そういう育成の仕方が許されたのは世の中や会社に余裕があったからであって、もうそんな悠長なことは言ってられないと思います。
いま必要とされているのは、一つのことを徹底的にやりきって「この仕事といえばあいつだよな」とみんなに認められるような人材ではないでしょうか。うちのような業界では特に、クリエイターやアーティストから見ても「この人だよね」と言ってもらえるような人材は希少価値が高いですよ。

並木 そういう人材を育てるには時間もかかりますよね。

黒岩 自分がやっていたライブの仕事で言えば、まず現場に出て、次に小さなライブを仕切って、ゆくゆくは東京ドームみたいな大きな仕事ができるようになるまでに10年くらいかかるイメージです。
そういう意味では、プロフェッショナルな人材を外から採ってくるというのも有効な手段になります。採用した次の日から力を発揮してくれるわけですから。熱量があって即戦力になれるというなら、極端な話、いくら出してもいいのかなって。

並木 それは大胆発言(笑)。

黒岩 あくまで気持ちとしては、です。そこは社の規定があるので、現実的には難しいところがある。
たとえば安室奈美恵のベストアルバム製作に、本人と対峙しながら直接的に携わったスタッフは人数で言えばほんの数人で、一人あたりの売上を考えるとゆうに億単位になります。でも、だからといって彼らの給料を他部署の社員の2倍3倍にするわけにはいかないですよね。外部から採用するプロフェッショナル人材についても同じで、既存社員との差をものすごくつけるということは現状ではなかなか難しい。

並木 そうなると逆に、引き抜きのリスクも出てきますね。

黒岩 それは現実問題としてあります。うちよりも高い給料を提示されれば気持ちがなびいてしまうのは仕方ないし、それぞれの生活や人生のことを考えれば安易に止めることもできません。
ただ、会社として、人事部として、それでいいのか。金額的な部分での対抗はできないのか。そこは大きな課題だと思っています。「これぐらいの年齢の人はこれぐらいの給料」といった固定概念があって柔軟な対応ができにくいのが現状ですが、こういうスピード感でやっていては人材の流出を防げないのではないか、という危機感があります。
会社に対する社員のロイヤリティは、「こんな大きな会社で働いているんだ」といった“誇り”と金銭的な“報酬”が両輪になっている。終身雇用が前提になっていた時代なら、「うちの会社にいれば安心だよ。その代わり給料はちょっと我慢してね」という論理が成り立った。でもぼくは、これから終身雇用は確実になくなると思っているし、そうなると「この会社にいれば安心」という話が通用しなくなる。誇りと金銭的な報酬という2つのバランスを未来型にしていかなくてはと思っています。

並木 既存の仕組みに当てはめるとケタが違うかもしれないけど、その人材が出せる価値に見合った報酬を用意することも検討する必要がある、と。私たちが考案した人材活用システムは、そうした報酬面のギャップを埋める狙いもあります。

黒岩 これからは、より格差がつく時代になっていくと思います。最近は、働き方に対する考え方が変わって、大企業に属するのではなく、自分個人の力でやっていこうという人も増えてきています。そこにエンジェル投資家が現れたりして、少数精鋭の組織体があちこちにできる――そういう分散化とも呼ぶべき傾向がある。

並木 そして、いろいろな企業との取引を通じて、自分たちの価値を広く提供している。大企業の社員になってしまうとその枠の中でしか力を発揮できないので、合理的な仕事の仕方と言える。

黒岩 その通りですね。個人の持っている力を一つの会社に縛っておく時代ではなくなってくるでしょう。
ぼく自身、若くて給料が安かった時は「副業をやってみたいな」とよく思っていました。たとえばエイベックスに所属しながら、並木さんの会社の仕事もする。利益相反はダメだけど、両方の会社で高いパフォーマンスを出せるなら何も問題はないですよね。それに掛け持ちすることによって、一方の会社の仕事では出会えないような人に出会うことができるし、それによって自分を高めたり、本業のほうに還元することもできる。その融合、言い換えれば“掛け算”を、優秀な人たちはしています。流行りだからという意味ではなく、副業はもっと導入していってもいいように感じます。
ただ、勘違いしている人も多いのですが、それは誰でもOKという話ではない。やっぱり適材適所というものがありますし、一つの会社で自分の仕事にしっかり取り組むことに向いている人のほうが圧倒的に多いでしょう。副業も含めて各所でパフォーマンスを発揮しながら新しい働き方を推進していける人材は、本当に優秀な、ほんの数%の層しかいないんじゃないかというイメージです。

並木 私たちがこのサイトで募る人材のイメージと合致します。そういう人材がエイベックスでの仕事を希望したとしたら――。

黒岩 一つは経営企画の領域ですね。全社を俯瞰して、改善すべき点に手を入れてもらう。コンサルティングファームに依頼するのと同じような感じにはなりますが、関わり方の違いは大きい。コンサルタントとして外から関わるのではなく、数年間は社員と同等の立場で、中に入って同じ空気を吸いながら、熱量を持って仕事をしてもらう。そちらのほうがうれしいですよね。
音楽業界という部分に魅力を感じてもらえているなら、より現場に近いところから始めてもらってもいい。コンサート会場での立ち回りから、集客戦略の立案だとか、仕事の幅を広げていってもらえればと思います。

並木 あるいは黒岩さん直属で、経営判断をするうえで知っておきたいこと、気になることにどんどん応えていくような役回りなんかも考えられますね。

黒岩 あとはロイヤルカスタマーへの対応なども、外部人材の力を活用したい領域です。コンサルに丸投げして「はい、やってください」というやり方をぼくはあまり好まないので、やっぱり中に入ってもらって一緒につくりたい。
そもそもエイベックスという会社の成り立ちが、自分たちの力だけで発展してきたわけではないんです。たしかに洋楽のダンスミュージックを日本に紹介したのはエイベックスだった。でも、そこに邦楽を掛け合わせて新しいものを世に出すことができたのは、小室哲哉さんとの出会いが大きい。エイベックスが持っているレコード会社としてのノウハウと、小室哲哉という時代の寵児となる音楽プロデューサー、この2つを組み合わせてみたらどうかという外部からの提案があったからこそ、それは実現したんです。そこにアーティストの才能も重なって、エイベックスは大きく飛躍することができました。
すべてを社内から生み出す必要はない。ぼくはそう思っています。引き出しを持っている人たちが集まって、提案し合い、それぞれの強みをマッチングさせて商品や作品ができていく。こういうことは、これからどんどんやっていかなければいけない。

並木 欲しい人材としては、やはり音楽が好きであることが前提になりますか?

黒岩 一概には言えないところもあります。自分が好きなジャンルに絞ってしまっている人は、それ以外の分野に疎くて新しいものを生み出しにくい傾向がある。ですから、音楽全般、広く浅く知っている人のほうがいいですね。あとアーティストが好きという方もちょっと難しいかもしれません。アーティストは良くも悪くも個性が強いので、仕事のパートナーとして関わると印象が変わってしまうかもしれません(笑)。
何より大事なのは、喜んでいる人の顔を見るのが好きだということだと思います。何かイベントを開いて、会場がグルーヴ感に包まれる。そういう瞬間こそ、お客さんに夢を与えられていると実感できるし、プライスレスな感覚を味わうことができる。そういう部分をモチベーションにできる人が望ましいのかなと思います。

並木 そこはスポーツ業界とも共通した部分ですね。コンサルタントをはじめとする外部のプロフェッショナルたちには、夢や感動を与えられる仕事を自分とは無縁だと割り切ることなく、その舞台で自らのスキルを生かすチャンスが目の前にあることに気づいてもらえたらうれしいです。我こそはという方たちからのご応募を心待ちにしています!

 

INTERVIEW

黒岩克巳

エイベックス株式会社 代表取締役社長COO

 

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